蟻という生き物

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■コロニー(家族)

写真:子育てをするバルバルスクロナガアリ

アリは昆虫としては珍しく、私たち人間と同じように家族で協力して暮らす、社会性昆虫の一つです。
一般的なアリのコロニー(家族)は、女王(母)を中心とした働きアリ(娘)達により構成されて、巣の中で産卵できるのは女王アリだけです。
中には女王という階級がなく、働きアリが雄と交尾をして産卵をするアリ(トゲオオハリアリやハシリハリアリなど)や、働きアリが交尾をしないで、単為生殖によって増えるアリ(アミメアリやクビレハリアリ)などもいます。
また、一般的に女王は働きアリよりも大きく、一目で区別できますが、中には働きアリと大きさも変わらず、良く見ないと女王だと分からないアリ(多くのハリアリ類)もいるのです。
雄アリには羽があり、繁殖期にだけ現れ、交尾をすると死んでしまいます。
そのため、普段私たちが目にするアリはすべてが雌なのです!!
アリの種類によっては、同じ働きアリでも、大きさや形が違う個体が現れることがあります。
特にオオズアリやオオアリには、頭部も体も大きな兵隊アリが現れる種類があります。
兵隊アリと名前だけ聞くと、敵と戦うためのアリといったイメージがありますが、オオズアリの場合は、兵隊アリは働きアリよりも臆病な感じがします。
実は兵隊アリの本当の役割は、働きアリが集めてきた大きなエサを解体したり、運んだりするなどの力仕事が専門なのです。
中にはコツノアリのように、兵隊アリは一切外へは出ずに、巣に運ばれてきたエサを、そ嚢に貯蔵するだけのアリもいるのです。
このように兵隊アリが現れるアリであっても、兵隊アリが現れるのはコロニーが数十から百匹を超えないと現れることはありません。
これは、働きアリが幼虫に与える量を制限しているためだと言われています。
コロニーの数が少ない時期は、外敵に襲われやすく、最も危険な時期なのです。
このような大変な時期に、成長するのに多くのエサと時間が必要な兵隊アリを育てている余裕などないため、幼虫に与えるエサを少なくして、体の小さな働きアリをたくさん増やす事に専念するのです。
そして、コロニーの数が多くなり、安定してエサが集まるようになると、体の大きな兵隊アリを育て始めるのです。
クロオオアリを飼育した場合、働きアリが100匹以上になったころから兵隊アリが現れます。
また、大きなコロニーであっても兵隊アリの割合は決まっていて、種類にもよりますが、全体の5~10%ほどが兵隊アリになるようです。
生まれた卵が、働きアリか兵隊アリのどちらになるのかは、子育てをする働きアリによって決められてしまうのです。
そして、コロニーがさらに成長して、ようやく新女王が育てられるのです。


アズマオオズアリの家族。
一番大きなのが女王で、次に大きなのが兵隊アリです。
オオズアリの兵隊アリは、体のバランスが頭部が以上に大きくなっています。
大きなエサを解体するために、強いアゴを持っています。
沖縄に住むオニコツノアリの働きアリと兵隊アリです。
働きアリがあまりに小さくて、同じ種類のアリとは思えませんね。
オニコツノアリの兵隊アリは、腹部に大量のエサを蓄えるのが主な役目です。
腹部に貯めたエサは、吐き戻して仲間に分け与える事ができます。
これだけ多くのエサが貯蔵できれば、エサの少ない時期も心配ありませんね。

ヒメオオズアリも、オニコツノアリと同様、兵隊アリがエサを貯蔵します。
何とヒメオオズアリの兵隊アリは、女王よりも大きいのです!

キイロケアリの家族です。
母親は黒いのに、娘たちは黄色といった変わったアリです。アリの家族はとても仲が良く、働きアリたちは、巣の中では常に女王のそばに集まっています。たくさんの働きアリに囲まれていると、女王も安心そうにしています。


1cm以上もあるヨコヅナアリの兵隊アリ。
このアリの働きアリと兵隊アリの大きさは物凄く、一番小さな働きアリは2mmほどですが、最大サイズの兵隊アリは1cm以上にもなります。


ツヤオオハリアリのコロニー。
働きアリと大きさがほとんど変わらないので、良く見ないと女王が分かりません。
女王は、羽が抜けた跡や、胸部に厚みがあることで区別する事ができます。


ウロコアリの仲間も、女王の区別が難しいアリですが、他のアリと同様、翅の痕と、胸部の大きさで判別する事ができます。

イエヒメアリは、一つのコロニーに、数匹から数十匹もの女王が暮らしていて、とても大きな家族をつくります。
その名の通り家に住み着くことがあり、害虫になることがあります。
女王がたくさんいるので、駆除は大変なようです。


ヤマトカギバラアリのコロニーです。
このコロニーはトビイロケアリの古巣を使用して暮らしていました。
オーストラリアに生息するブルドックアリのコロニーです。
女王は2.5cmと、とても大きな種類です。


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