蟻という生き物

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◆分類 ◆分布 ◆コロニー(家族) ◆仲間同士の会話  ◆世界の蟻

蟻の一生
◆結婚飛行 ◆巣作り ◆産卵 ◆子育て ◆エサ集め

蟻と関係を持つ生き物たち
◆好蟻性生物について
◆昆虫
甲虫目 チョウ目 バッタ目 アブラムシ・カメムシ目 ハチ目 ハエ目            トビムシ目 ゴキブリ目 シミ目
◆クモやその他の生き物
ヤスデ目 クモ目 ダニ目 ワラジムシ目 その他(カタツムリや寄生虫)

■アリと関係を持つ生き物たち -カタツムリや寄生虫-
アリの巣で見つかったオカチョウジガイ。

■カタツムリ


沖縄で見つけたオオズアリの巣の中にカタツムリが暮らしていました!!
過去にも、このようなカタツムリをアリの巣から見つけたことがあるので、もしかするとアリの巣で暮らすカタツムリなのかもしれません。
このカタツムリはオオズアリの巣の部屋の中から見つかり、5匹ほど見つけることができました。
アリはカタツムリに攻撃などをする事はありません。


ツヤオオハリアリの巣から見つかったカタツムリ。
このカタツムリは本来雑食性のようで、アリの巣に好んで同居しているというよりも、エサが豊富で外敵のいないアリの巣でたまたま増えているだけなのかも知れません。
多いときは一つのコロニーに10匹以上いる場合があります。 
アリはカタツムリを攻撃する事はほとんどありませんが、存在は気になるようで、後をつけている姿を良く見ます。
万が一攻撃をされると、カタツムリは硬い殻に隠れます。
アシナガキアリの巣で暮らしていたオカチョウジ。

トビムシを食べているオオウロコアリの巣からもオカチョウジガイを発見することができました。

オカチョウジガイをアリと一緒に飼育していたところ、このカタツムリは雑食性で、アリが集めてきた昆虫などを食べる事がわかりました。
エサを見つけたカタツムリは、首を伸ばしてエサを探します。
そしてエサを見つけると、齧りつき、大量の泡を出してエサを食べ始めるのです。
泡を出す理由は、おそらくエサを見つけて興奮したアリに、軟体部分を噛まれないようにするものと思われます。
このような状態になると、アリがエサを引っ張っても、カタツムリは離れません。
 
まだ詳しい生態は分かりませんが、アリの巣で暮らす可能性のある変わったカタツムリの、身を守るための驚くべき方法を観察する事ができました。
それは、カタツムリの弱点でもある柔らかい体を、泡によって守るという方法です。
この泡について、巻貝を研究している上島先生にお聞きしたところ、オカチョウジなどでは驚いたり環境が悪くなると行う一般的な行動なようですが、このようにアリの巣で、アリから泡で身を守りエサを食べると言うのはまったく知られていないようです。
普段アリの巣にいるときは、アリから攻撃をされる事もないので、アリに出会っても泡は出しませんが、エサを見つけてアリたちが興奮している時のみ、泡を出し始めます。
今後は、この貝は蟻好性に特殊化した種類なのか、それともアリの巣以外でも暮らしているのかなど、詳しい事を観察していきたいと思います。
詳しく観察をしたところ、オカチョウジはかなり積極的にアリが巣に運んできたエサを食べる事がわかりました。
これは、アリが近くにいない場合の捕食シーンです。
この場合、オカチョウジは泡は出さずに、エサを食べています。

マレーシアのハシリハリアリの巣で暮らすオカチョウジ Allopeas myrmekophilosは、さらにアリと深い関係があります。
その理由は、ハシリハリアリが巣を引っ越す時に、移動速度の遅いカタツムリは、どう考えてもアリに追いつくことはできません。
そんな時は、働きアリが、まるで自分たちの幼虫や繭を運ぶように、オカチョウジをくわえて運ぶのです。

■寄生虫


これはメルミスという線虫に寄生された、オオズアリです。
線虫が大きく育つにつれて、アリの腹部も膨らんできます。


アリの栄養を吸収して、大きく成長したメルミスは、アリの腹部を破って外に出てきます。
■冬虫夏草

このアリタケは、ムネアカオオアリの女王に寄生するキノコです。
アリの体を乗っ取り、栄養分を吸収しながら菌糸を体内に伸ばし、十分に成熟をすると体外に子実体(キノコ)を伸ばして、胞子を飛ばします。
結婚飛行をした女王を採集すると、稀にアリタケに寄生されていることがあります。


このようにアリタケは、アリにとって恐ろしいキノコであることは間違いありませんが、アリタケも子孫を残すことがとても難しいものだと思われます。
キノコから放出された胞子が、奇跡的にムネアカオオアリの、しかも女王に付着し、体を乗っ取り殺すことに成功しても、それから菌糸を成長させて、キノコを出すまでの数ヶ月間も、キノコ発生の条件(温度、湿度、光?)のそろった場所にあり、他の生き物(アリ、ダンゴムシ、ナメクジ、ダニ、カビなど)に食べられることなく残らないといけないのです。
胞子の数の中で、キノコを出すまでに成長できるのは、本当に奇跡的な数なのかもしれません。

■殺虫カビ
カビに寄生されて死んだムネアカオオアリの女王。
野外では多くのアリが、このように様々な原因で死んでしまうことがあります。

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