蟻という生き物
■アリと関係を持つ生き物たち -昆虫 甲虫目-
写真:クロクサアリの巣の中や、周辺で暮らすはハネカクシ類とアリヅカムシ
アリは世界中に分布を広げることに成功した生物で、その社会構造や習性はとても複雑です。そして、そんなアリと関わりを持つ生物が、とても多くいるのです。
中にはアリがいないと生きて行けないものまでいて、進化の歴史を感じさせられます。
中にはアリがいないと生きて行けないものまでいて、進化の歴史を感じさせられます。
■ヤマトアシナガアリの巣で暮らす様々な甲虫(クロアリヅカエンマムシ、アリヅカムシ)
■エンマムシ
ヤマトアシナガアリの巣で見つけた、クロアリヅカエンマムシという甲虫の一種です。
アシナガアリの巣を歩き回って暮らしています。
ヤマトアシナガアリの巣で見つけた、クロアリヅカエンマムシという甲虫の一種です。
アシナガアリの巣を歩き回って暮らしています。
アシナガアリに出会うと、足や触覚をたたんで、まったく動かなくなります。
足や触覚は、アリに噛み付かれる危険があるため、このように丸くなるのでしょう。
とてもきれいに収納する事ができ、アリが噛み付けるような突起はなくなります。
足や触覚は、アリに噛み付かれる危険があるため、このように丸くなるのでしょう。
とてもきれいに収納する事ができ、アリが噛み付けるような突起はなくなります。
クロクサアリの巣で暮らす、シナノセスジエンマムシです。
とても小さな甲虫で、クサアリの巣の入り口付近で見つけることができます。
何を食べて、どんな生活をしているのかは分かりません。
とても小さな甲虫で、クサアリの巣の入り口付近で見つけることができます。
何を食べて、どんな生活をしているのかは分かりません。
アズマオオズアリの巣で暮らす珍しいアリノスコブエンマムシ。
上翅の毛束からはアリが好む分泌物を出すようです。
上翅の毛束からはアリが好む分泌物を出すようです。
ミナミオオズアリので暮らすコブナシコブエンマ。
■ハネカクシ
これはクロクサアリの巣で見つかるクサアリハネカクシです。
このハネカクシは、アリの行列に紛れ込んで歩いていて、アリが見つけた食料を盗んで食べてしまいます。
クサアリハネカクシはアリを襲うこともあります。
この個体は、クロクサアリの足に噛み付いたトビイロケアリを捕食しています。
この個体は、クロクサアリの足に噛み付いたトビイロケアリを捕食しています。
クロクサアリの巣には、様々な好蟻性昆虫が住み着いていて、ハネカクシ類もいろいろな種類を見つけることができます。
ハネカクシ類の多くは、巣の周辺や行列に紛れ込み、アリが見つけたエサを一緒に食べているようです。
これはとても小型なハネカクシで、クサアリの巣の入り口付近でよく見かけます。
ハネカクシ類の多くは、巣の周辺や行列に紛れ込み、アリが見つけたエサを一緒に食べているようです。
これはとても小型なハネカクシで、クサアリの巣の入り口付近でよく見かけます。
ヒラタアリヤドリなどの小型なハネカクシは、アリが巣へ運ぶ途中のエサに飛び乗って盗み食いをします。
アリはエサを盗み食いされていることには、まったく気が付かないまま歩き続けます。
アリはエサを盗み食いされていることには、まったく気が付かないまま歩き続けます。
このようにクサアリの巣には、とても多くのハネカクシが暮らしていますが、中でも変わったハネカクシはとても大型なオオズハイイロハネカクシでしょう。
なんとこのハネカクシは、クサアリの巣で暮らす、クサアリハネカクシやアリヤドリハネカクシなどを専門に捕食するハネカクシなのです!
これらの小型ハネカクシを見つけると、飛び掛り足で抱えて噛み付きます。
なんとこのハネカクシは、クサアリの巣で暮らす、クサアリハネカクシやアリヤドリハネカクシなどを専門に捕食するハネカクシなのです!
これらの小型ハネカクシを見つけると、飛び掛り足で抱えて噛み付きます。
マレーシアのツヤヒメサスライアリの巣で暮らすハネカクシの一種です。
アリが引っ越しなどで移動するときは、アリや、アリの幼虫にしがみついて一緒に運ばれます。
アリが引っ越しなどで移動するときは、アリや、アリの幼虫にしがみついて一緒に運ばれます。
ケブカヒメサスライアリの巣で暮らすハネカクシは、アリによく似た体型をしています。
ケブカヒメサスライアリの巣で暮らすハネカクシは、引っ越しの時は、アリに運ばれることもあります。
弱った仲間を運ぶヒメサスライアリの一種。
この種類に同居をするハネカクシは、同じ方法で新居へと運んでもらいます(下画像)。
この種類に同居をするハネカクシは、同じ方法で新居へと運んでもらいます(下画像)。
触覚の根元をくわえられています。
トフシアリの巣で暮らす、ケシアリヤドリDiploxenus kubotaiという、世界最小の好蟻性ハネカクシです。
アリの巣には、このように様々な種類のハネカクシが暮らしていますが、シロアリの巣にも同じようにハネカクシが暮らしている事があります。
写真はボルネオのシロアリの巣で見つかったハネカクシ。
写真はボルネオのシロアリの巣で見つかったハネカクシ。
■アリヅカムシ
写真:ツヤチイロアリヅカムシ
アリヅカムシは、アリの巣で暮らす甲虫の一種です。
とても種類の多い虫で、種類によって同居しているアリが異なります。
詳しい生態はまだ分かっていませんが、アリの食べ残しや、幼虫などを食べているものと思われます。
とても種類の多い虫で、種類によって同居しているアリが異なります。
詳しい生態はまだ分かっていませんが、アリの食べ残しや、幼虫などを食べているものと思われます。
トビイロケアリの巣で暮らす、コヤマトヒゲブトアリヅカムシですが、他の種類アリの巣から見つかる事もあります。
この個体は、シワクシケアリの巣で暮らしていました。
この個体は、シワクシケアリの巣で暮らしていました。
クロクサアリの巣の中で、何かを食べているアリヅカムシを見つけました。
拡大してみてみるとそれはトビムシでした。
自分と同じくらいの大きさのトビムシを食べていたのです!
素早いトビムシを一体どうやって捕まえたのでしょうか?
拡大してみてみるとそれはトビムシでした。
自分と同じくらいの大きさのトビムシを食べていたのです!
素早いトビムシを一体どうやって捕まえたのでしょうか?
シワクシケアリが、幼虫に口移しをしていたら、横から来たアリヅカムシが、横取りしました。
ハタラキアリは、しばらく気が付かないままエサを吐き戻していました。
ハタラキアリは、しばらく気が付かないままエサを吐き戻していました。
飼育している、トビイロケアリの巣で暮らすコヤマトヒゲブトアリヅカムシは、アリの幼虫を捕食します。
生きているものを襲ったのか、死んだ幼虫を食べたのかは不明ですが、集団で幼虫を食べる姿を見ることができます。
生きているものを襲ったのか、死んだ幼虫を食べたのかは不明ですが、集団で幼虫を食べる姿を見ることができます。
石垣島のツシマハリアリの巣で暮らす大型アリヅカムシが、アリの食べ残しを食べていました。
アメイロアリの巣で見つかったアリヅカムシの雌雄。
テラニシケアリの巣で暮らす珍しいアリヅカムシ
沖縄のケブカアメイロオオアリの巣から見つけた大型アリヅカムシと、おそらくその幼虫と思われる虫。
写真:ツシマハリアリの巣で暮らす生き物たち
■オオエグリゴミムシ
石垣島のツシマハリアリの巣で暮らすオオエグリゴミムシです。
とても珍しい種類のようで、滅多に見つけることができません。
とても珍しい種類のようで、滅多に見つけることができません。
エサはアリが集めてきた昆虫などです。
ツシマハリアリは肉食性のアリなので、巣には多くの虫が集められます。
ツシマハリアリは肉食性のアリなので、巣には多くの虫が集められます。
交尾中のオオエグリゴミムシ。
同じくツシマハリアリの巣で見つかった謎の幼虫。
おそらくオオエグリゴミムシの幼虫だと思われますが、まだ詳しいことは分かりません。
アリから攻撃されることはありません。
おそらくオオエグリゴミムシの幼虫だと思われますが、まだ詳しいことは分かりません。
アリから攻撃されることはありません。
■アリスアトキリゴミムシ
カワラケアリなどの巣で暮らすアリスアトキリゴミムシです。
■ヒゲブトオサムシ
ボルネオで採集したヒゲブトオサムシの一種。
新種だったようです。
ボルネオで採集したヒゲブトオサムシの一種。
新種だったようです。
■ムクゲキノコムシ
石垣島でミナミオオズアリの巣から見つけた1mm以下の甲虫です。
このコロニーには、多くのムクゲキノコムシがいました。
石垣島でミナミオオズアリの巣から見つけた1mm以下の甲虫です。
このコロニーには、多くのムクゲキノコムシがいました。
卵や幼虫に乗っていることが多いようです。
あまりに小さいので、肉眼では良く分かりませんが、拡大するとこんな形をしています。